国際シンポジウム in TOKYO 「健康の社会的決定要因」を巡る国際的動向 "World trends in research of social determinants of health" 概要の報告

わが国では,厚生労働科学研究補助金によって高齢者におけるHEART(Health Equity Assessment and Response Tool)の開発研究の試みなどがなされているが,SDH(Social Determinants Health:健康の社会的決定要因)の重要性やこのような世界の動きは,一部の人にしか知られていない.しかしSDHは,今年の日本公衆衛生学会・社会政策学会のメインテーマや,2012年厚生労働省科学研究補助金指定研究の主要エリアとして設定されており,日本の学界・政界はSDHに目を向け始めています.
本シンポジウムでは,健康社会研究センターと研究協定を結んでいるハーバード大学公衆衛生大学院のKawachi教授に,SDHの国際比較研究を中心に,世界でSDHがなぜ注目されているのかの講義を受けました.また,WHO関係者からは,WHOの国際会議の内容やUrban HEARTの開発,J-AGES HEARTの試みについて報告をいただきました.これらを受け,日本におけるSDHを巡る今後の課題を会場の皆様と一緒に考えました.

シンポジウム(10:10−15:20)
Debbie Gray : Technical Offer, Health and Human Rights. WHO/WPROphoto
「健康の社会的決定要因に対するWHOのアクション」
“WHO Actions on the Social Determinants of Health”
<概要>
・各国の寿命について
・健康の決定要因とWHOのアクションについて
・社会的決定要因としての貧困・教育・都市化・健康システム
・健康の質と平等性とその枠組みについて

Ichiro Kawachi: Professor of Social Epidemiology, Harvard School of Public Healthphoto
「健康の社会的決定要因への投資−今こそ行動の時−」
“Investing in the Social Determinants of Health An Idea Whoes Time Has Come”
<概要>
・健康の社会的決定要因の歴史について
・SDHにおける3つの”Best Buys”
・幼少期の教育への投資
・安定した仕事への投資
・貧困の世代間移転を防ぐ
・今後の課題について

Megumi Kano: WHO 神戸センター 「都市部における健康の社会的決定要因への国際的取り組み」photo
Global Efforts to Address Social Determinants of Health in Urban Settings
<概要>
・WHO神戸センターについて
・WHOのSDHに関する取り組みの背景と内容について
・都市部の健康格差
・Urban HEART指標開発とその内容
・都市部の取り組みの紹介

Katsunori Kondo: Professor of Social Epidemiology, Nihon Fukushi University
photo 「J-AGES HEAT 2011の開発経過と課題」
“J-AGES HEAT 2011: Progress of Development and Issues”
 <概要>
・J-AGESの概要について
・J-AGESデータを活用したHEART2011の開発経過
・J-AGES HEARTの可能性と課題

質疑討論(15:30−16:30)

photo  photo

開催概要
日時 2011年12月23日(金) 10:00〜16:00
会場:アルカディア市ヶ谷(鳳凰)
参加者:106名

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